教壇で真似して踊っちゃった

 随分前のことです。松下の家電ブランドがナショナルだった頃、蛍光灯か蛍光灯型電球のCMで岸辺一徳さんが製品を手に持って

 

「取り換えるならインバーター ナショナルのインバーター」と歌いながら踊り、傍で見ていた知らない人に「やる?」と製品を差

 

し出すテレビコマーシャルがありました。岸辺一徳さんのとぼけた表情がとても印象的で、一人でウケて笑ってしまいました。

 

当時は下手なドラマよりCMのほうが面白いと言われ、個性的なCMが増えていました。

 

そのCMのインパクトが強く、わたしは一回見ただけで製品名を覚えました。CMが始まればテレビの前に陣取り、何度も見て笑っ

 

たものです。

 

 その後わたしは高校の教師になりました。授業で「広告」の役割、種類、4大メディアなどの言葉や、テレビコマーシャルは影響

 

力が強いので印象的なCMが作られていること、強い印象を視聴者に与える広告はカッコいいものだけではないこと、思わずニヤッ

 

と笑ってしまうものや他社CMを揶揄するものもあること等を説明していて、ふっとあの松下電器のCMが脳裏によみがえったのです。

 

そして、わたしは「こういうCM知ってる?」と「取り換えるならインバーター ナショナルのインバーター」と岸辺一徳さんの如く

 

踊ってしまったのです。

 

 生徒の反応はありませんでした。あの人何やってるの、と怪訝そうな顔をしている生徒が何人かいましたが、誰も何も言いません。

 

笑いもしません。教室はシーンと静まり返っていました。

 

 今考えると顔から火が出るぐらい恥ずかしいのですが、あの具体例は成功だったのか失敗だったのか、20年以上たった今でもわか

 

りません。